平成4年7月にオープンした滋賀県立朽木いきものふれあいの里は、平成20年度から指定管理制度が導入され、有限会社グリーンウォーカークラブ・ネイチャーガイド研究所が管理者となりました。代表者の青木繁さんは新聞やテレビでもおなじみの自然解説者です。
新所長の青木さんに施設を案内していただきました。
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■□■まずは所長の青木さんの紹介から
所長の青木繁さん
◆自然との関わりを仕事とされたきっかけは?
(青木さん)小学校の教諭時代に朽木いきものふれあいの里の準備段階から関わり、平成4年の設立時より6年間、指導主任として勤務しました。
自然に対する想いは、星の観察に魅了された小学校時代から始まり、中学校時代にはさらに植物の観察に興味が広がり、大学は農学部に進学したという背景があります。
◆ 教職から起業へ。自然を相手にした会社を設立されたのはどうしてですか?
(青木さん)自然ともっと関わりたい、自然のすばらしさを多くの人に知ってもらいたいと、平成13年4月にグリーンウォーカークラブ・ネイチャーガイド研究所を創設しました。
自然のおもしろさ、知る喜びを感じ、自然を謎解きする。この木はなぜここにあるのか、この虫はなぜこんな生き方をするのか、この昆虫はなぜこの植物につくのかなど、この謎解きは知識や技能ではない。自然の謎解きには自然との一体感をもって関わっていく、自然の近くに自らをおき、自然の立場になることが大事です。自分で発見し、謎解きする喜びが生きる力につながります。
謎解きは目的であって、その手段は五感。最近は人間の五感が鈍っています。森の中に入るときにはあえて手袋はしない、というのも私のやり方です。かぶれや痛みを感じてわかることがあります。
五感を使って、自然の謎解きをする喜びを味わってほしい、語る青木所長
◆ 施設の運営には青木さんのそのような想いが活かされているのですね。
(青木さん)毎月、自然観察会や自然体験イベント、ネイチャーゲーム、里山楽校、森歩きなどを実施しています。これまで自然とふれあう機会に恵まれなかった人たちにも、気軽にイベントに参加し、自然の魅力を実感してもらいたいです。
森のクラフト教室では、自然を知るきっかけづくりとなるように木の実など自然物を用いた工作をしています。
■□■青木所長に朽木いきものふれあいの里の森を案内していただきました
◆森に入る前に、まず注意点から
虫かごを取り出して、前日に捕獲したというマムシとキイロスズメバチを示されました。
マムシは木陰などさわやかな所を好み、ムシムシする場所や夏の直射日光が照りつけるような所にはいないというお話がありました。人間にとって危険な生き物も、刺激を与えたり、危害を加えたりしなければ、刺されることはないと説明されました。
前日に捕獲したマムシを示して、注意点を話してくださいました。
◆ 植物観察をしながら森の中へ
センターの右手奥は、アカマツの森、さらにその奥に広葉樹の森があります。
まず、目につくのが歩道沿いに張られたネット。これは、鹿害から防御するためのものです。5年くらい前から鹿の食害が著しく、ササもすべて鹿に食べられたそうです。
張り巡らされた鹿よけネット
ナラ枯れは、アシナガキクイムシが運ぶ菌によって、木が水を吸えなくなったためです。
木肌にイボイボがついているのはカラスザンショウの木。葉っぱを嗅ぐと確かにサンショウのにおいがしました。
◆ 鹿に食べられずに葉が茂っているところがあるのはなぜ?
これはウリハダカエデ。ウリハダカエデは鹿があまり好まないということでした。サンショウのようなにおいがするマツカゼソウやイワヒメワラビ、アセビも鹿は嫌うそうです。
鹿がきらうウリハダカエデ
◆ 散策コースが選択できます
蛇谷ヶ峰コースとセラピーロードコースの2つのコースのうち、今回は整備中のセラピーロードコースを選択しました。
沢の小道案内板
沢の小道の標識から黄褐色の樹肌が不規則にボロボロはがれ落ちているのはカナクギノキ。湿った木陰の朽ちた木にはタニキキョウの小さく清楚な花がさいています。蛇が鎌首をもたげているようなマムシグサも観察しました。このコースは、四季を通して花の多い所だそうです。
木の中に咲くタニキキョウの花
◆ 樹の見分け方は?
モミや、モミの木に似たチャボガヤ。どちらも葉の先端が尖っていて、触るとチクッと痛みを感じます。モミは葉の先端が二つに分かれています。
このほか、樹齢の見分け方を学びました。200年以上の樹もありました。柏餅のカシワの代用としても使われるというサルトリイバラも教えていただきました。
■□■ふれあいの里センターの展示を解説していただきました
ふれあいの里には青木所長のほか、炭焼きや観察指導担当の中西税さん、魚が専門の河辺裕美子さん、野鳥担当の川原菜央さんの3名が勤務されています。
川原菜央さんにふれあいの里センターの中を案内していだきました。
◆ジオラマ
入り口から一番近いところには朽木の森のジオラマがあります。
初夏の森を再現したジオラマ

◆企画展示コーナー
森の生き物としてキツネ、タカ、リス、モンゴルオオカミの剥製があります。テンやイタチの剥製も今にも動き出しそうです。
剥製の森の生き物たち
今にも動き出しそうなイタチやテン
リスが食べてエビフライのような形になったマツボックリが並んでいます。
◆鳥の鳴き声クイズ
モズ、シジュウカラ、ヒヨドリなど5種類の鳥の鳴き声ボックスがあります。
◆動物たちの巣、ハチの巣

◆朽木で見られる鳥たち

◆カエル

◆動物のうんち

◆映像で見る秋の森

■□■ 少し足をのばして、近くの施設へ
近くのグリーンパーク想い出の森には、宿泊施設やスポーツ施設、森の標本館などがあります。森の標本館では、草木染めやペンダントづくりなど自然クラフトの体験ができます。200人〜300人規模での草木染め体験も可能です。ネイチャー雑貨も販売されています。
◇グリーンパーク想い出の森http://www.gp-kutsuki.com/
◇森の標本館 http://www.gp-kutsuki.com/gwalker.html
草木染めサンプル
草木染めの指導
葉っぱの標本
■□■取材者からひとこと
広大なフィールドとセンターの展示物が楽しめる朽木いきものふれあいの里。
土日など休日を中心に四季を通して自然観察、ネイチャーゲーム、里山学校など数多くのイベントが用意されています。家族やグループで自然にふれあい、自然のもつすばらしさを感じる一日が過ごせそうです。是非一度訪れてみてはいかがですか。(環境学習推進員 山本悦子) |