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学習プログラム 取材記録 取材日:2015/04/30
施設名 醒井養鱒場
URL http://samegai.siga.jp/
所在地 米原市上丹生
TEL 0749-54-0301
FAX 0749-54-0302
e-mail gf31@pref.shiga.lg.jp
事業概要 「醒井養鱒場」は、明治11年(1878年)に設立された日本でもっとも歴史のある水産研究施設の一つです。霊仙山(1094m)山麓の鍾乳洞から湧き出る清水を使って育てられるニジマスやアマゴ、イワナは、県内の河川や養殖場に出荷されるほか、マス類の増養殖研究や子ども達の学習に役立てられます。
★取材記録はこちら → http://www.ecoloshiga.jp/I_report/index.php?act=dtl&type=lnk&id=153
明治11年(1878年)に琵琶湖の固有種ビワマスの増殖を目的に設立され、現在まで増殖事業を継続されている醒井養鱒場に伺いました。
今回ご説明いただいたのは、滋賀県水産試験場の菅原さんです。

水産試験場の菅原さん

【醒井養鱒場の歴史について教えてください】
当養鱒場は当初ビワマスの増殖を目的として設立されましたが、その前年にはニジマスが輸入されており、成長が速く飼育の容易なニジマスの養殖が主流となりました。現在80ヶ所程の養殖池で、ニジマス、ビワマス、イワナ、アマゴを養殖用種苗・河川放流用種苗・成魚出荷用として養殖しています。
また養鱒場施設自体は、滋賀県漁業協同組合連合会が2013年より指定管理者として運営を行っています。


ふ化場の入り口


ふ化までの作業を説明しているパネル


採卵の終わった親魚の放流口


ふ化場内部


【ビワマスの養殖のこれまでについて教えてください】
ニジマスの養殖に並行してビワマスの増殖も続けられていました。ビワマスの本格的な飼育研究が始まったのは1960年代後半です。当初は遡上する親魚の確保を目的とし、採卵・受精・ふ化・稚魚飼育・放流をおこなっており、これは現在も続けられています。
戦前100t近い水揚げのあった天然ビワマスの漁獲量は、近年は20-40tで変動しています。また産卵期である10-11月は採捕禁止であり、全長25cm以下のビワマスは周年採捕禁止です。つまり、天然ものは季節により漁獲量に変動があります。また産卵時期が近付くと親魚の脂肪が減って肉質が落ち、価格が下がるという問題もあります。
個性の強いビワマスの長期飼育自体が難しかった時期を乗り越え、養殖が本格化したのは1970年代後半です。継代飼育により養成親魚から種苗生産、以降の選抜飼育により1993年に高成長系ビワマスの作出に成功しました。


稚魚池(エサやり場)


【ビワマスの養殖の現状について教えてください】
前述の高成長系ビワマス系統は24ヶ月で成熟しますが、成熟後死亡するという欠点をもっていました。そこで全雌3倍体魚(3組の遺伝子をもつ)を作出しました。この3倍体の個体は成熟しないので、当然成熟に伴う肉質の変化もなく成長し続けます。そのためいつ食べても美味です。また市場の要求するサイズの魚、たとえば塩焼きサイズでも出荷することができます。


稚魚飼育池


【ビワマスの養殖の将来と課題について教えてください】
現状の課題として、ひとつは流通量が少ないので知名度が低く市場価格が安いということがあげられます。
養殖魚の普及と品質向上をめざし、養殖業者によりびわサーモン振興協議会が発足しました。ビワマスを「びわサーモン」としてブランド化と普及を進めています。具体的にはうまみ成分や食べごろ推奨期間を科学的に分析し、ブランドの裏付けを行っています。また県内料理店・小売店に対し天然ものと養殖ものの食べ比べなどもしています。
次の問題は、これら普及努力の結果養殖ビワマスの需要が伸びたことに伴い、県内養殖業者による市場へのビワマスの供給が追い付かない状況になってきたことです。また、養殖業者の需要を満たすビワマスの種苗の生産も、醒井養鱒場の施設能力に限界があり十分にできていません。今後、どのように生産量を増やしてゆくかが課題です。


【醒井養鱒場で開催されている環境教育についてご紹介ください】
7-8月には夏休み親子さかな教室が毎週開催されます。内容はエサ釣り場を利用して、ビデオ学習のあと、魚すくい、エサ釣り体験をします。普段生き物との接触が少なくなった子供さんにとっては、生きた魚に触ることのできるよい機会だと思います。
また地元小中学生対象の体験学習も提供しています。内容は、採卵・受精、仔魚観察、解剖等です。時期によりますが、採卵・受精の時期のすぐあとは仔魚観察ができます。
上記以外に、夏季と秋季に採卵見学(ニジマスの採卵、受精の様子をガラス越しに見学)をして頂くことができます。


釣り場

【取材者からのひとこと】
140年近い歴史を持つ養鱒場は、現代のあわただしさからは想像できない静けさに包まれていました。まるで過去にタイムスリップしたようで、なつかしい昭和の雰囲気が漂っています。さかな学習館で事前に学習し、あとは家族・友人同士でご興味のあるセクションで楽しむといったような過ごし方はいかがでしょうか。また豊富なプログラムが用意されていますので、自治会・子供会のイベントに体験学習を含んだ様々な施設の活用ができると思います。
 ビワマスについてもっと知りたい方は、環境学習センター所蔵図書『川と湖の回遊魚ビワマスの謎を探る』をお読みになることをお勧めします。