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学習プログラム 取材記録 取材日:2015/08/08
施設名 ヤンマーミュージアム
URL http://www.yanmar.co.jp/museum/
所在地 長浜市三和町6-50
TEL 0749-62-8887
FAX 0749-62-8780
e-mail yanmarmuseum@yanmar.co.jp
事業概要 ヤンマー創業100周年を記念し、創業者山岡孫吉の生誕地である滋賀県長浜市に2013年3月にオープンした体験型ミュージアムです。
ヤンマーの歴史や創業者山岡孫吉の足跡、ものづくりの仕組みなどを豊富な展示や映像、シミュレーターなどを通して体験学習できます。
2Fにある屋上ビオトープでは、季節毎のビオトープ観察会も開催しています。
★取材記録はこちら → http://www.ecoloshiga.jp/I_report/index.php?act=dtl&type=lnk&id=159
 2015年8月8日に開催された「ヤンマーミュージアム 2015 夏のビオトープ観察会」を取材しました。
 ヤンマーミュージアムはヤンマーの創業100周年を記念し、創業者山岡孫吉の生誕地である滋賀県長浜市に2013年3月にオープンした体験型ミュージアムです。ものづくりの仕組みなどを展示や映像、シミュレーターなどを通して体験学習できるほか、ミュージアム屋上のビオトープをフィールドとした観察会や田植・稲刈り体験などの環境学習関連イベントも数多く開催しています。

 今回の観察会は春夏秋冬の季節ごとにミュージアム内で開催している2時間の観察会を丸一日に延長して、ミュージアムビオトープでの生きもの調査・分類に加え、琵琶湖近くの川の生きもの調査・分類も行い、両方を比べてみようという充実した内容になっています。
 講師として滋賀ビオトープ研究会副会長の村上宣雄先生と滋賀の理科教材研究会の井田良三先生が招かれていました。博物館担当者からイベント参加にあたっての安全上の注意事項の説明が行われた後、講師の先生方の自己紹介がありました。


(左から) 村上先生  井田先生

 今回の参加者は遠くからは愛知県・岐阜県、近くは地元長浜・彦根などから13組32名が参加しました。対象は小学3年生から中学1年生までの15名で、最初の自己紹介時に緊張する子どももいましたが、付き添いの保護者に励まされてあいさつをしていました。
 講師の先生方もこの観察会を、子どもたちの夏休みの自由研究活動の一環としてとらえられていて、保護者も含めた参加者に「自由研究のコツを教えてあげるよ」と、期待が高まる楽しい説明ではじまりました。
 午前中はミュージアム屋上のビオトープと近くの長浜新川の生き物の採取を行いました。当初はミュージアム近くの琵琶湖岸での標本の採取を計画していましたが、事前調査の結果ビオトープと比較できるような生き物が余り見つからなかったため、急きょ琵琶湖岸から数百メートル離れた長浜新川に比較採取の場所を変更しました。

 まずミュージアム屋上のビオトープに採取ネットとバケツを持って移動し、裸足になってビオトープに入ります。ビオトープの水温は27.3℃もあり、繁茂しているアオミドロと相まって何とも言えない感触でした。また滑りやすいので、動きがゆっくりになります。採取した生き物はバケツに入れて、ワークショップ内の自分たちの机の横に置きました。次に参加者は長浜新川にバスで移動しました。採集ネットを通じて混じり合うのを防ため、長浜新川で用いる採集ネットは、別のものが用意されていました。


(左から) 網とバケツを受けとる  ビオトープの周りに移動  講師の先生の説明を聞く


(左から) 生きもの採取を始める  捕獲に集中します  採取標本を保護者と観察

 20℃と気持ちよい冷たさの長浜新川では保護者も川に入って、色々な生きものを採取しました。ビオトープの魚類はメダカとドジョウしかいませんでした(この二種類のみを放流したため)が、長浜新川ではドジョウ以外にアユ・ドンコ・ヨシノボリを採取しました。特にアユを捕まえるには魚を追いたてる役と、網で待ち構える役に分かれる共同作業が必要です。こちらで採取した生き物は生きたまま持ち帰るために、分類・観察に必要な数量だけを、保冷剤を浮かべて冷やした水にポンプで空気を送る発泡スチロールの専用容器に入れて、ミュージアムへ運び、残りは元の川に戻して、生態系に影響を与えないように配慮しています。


(左から) 橋の下に集合、注意を聞く  川にはいる  橋けたの周囲から探る

(左から) 先生のアドバイスをうけ  親子で協力して  だんだん保護者も川の中へ

(左から) 生きもの採取終了  捕獲した生きものを見る  観察に必要な数量だけ

 ミュージアムのワークショップに戻った後、井田先生の指導のもと、昼食までの時間にビオトープで採取したプランクトン観察の練習を行いました。プランクトンの観察は、滋賀の理科教材研究会編のプランクトン図解ハンドブックを参考資料として用いながら、顕微鏡で行います。


(左から) 参考資料  ビオトープの生き物を見る  顕微鏡を使い標本を同定する

 午後からは、本格的に午前中採取した生きもの標本の調査・分類を行いました。井田先生があらかじめ採取しておいたプランクトンの標本を、子どもたちが顕微鏡で観察します。保護者も顕微鏡をのぞき、一緒に同定します。それでも良く分からない場合は、講師の先生方に質問します。そしてひと通り標本の同定が終わると、新しいプレパラート標本のお替りを井田先生にお願いしていました。その間に村上先生はビオトープの植物や長浜新川の植物・魚類・昆虫・貝類を分類し、各標本を個別のケースに分け名札を添付し、テーブルに並べます。


(左から) プレパラートの準備  植物標本を同定する  標本を観察する

(左から) 先生の助けをうける  顕微鏡観察に夢中  標本データの集計

(左から) 植物標本  ヤゴ・トビケラなど  エビ・アメリカザリガニなど

 調査・分類のデータの集計は、全員が同時に行うとワークショップ内が混雑するので、二つのグループに分かれました。まずプランクトンについて、片一方のグループがホワイトボードに貼られた生きもの調査結果比較表に、井田先生と一緒に「○」を記してゆきます。一方、他のグループは、村上先生の分類した標本を見ながら各自の集計用紙に記録してゆきました。こうしてプランクトン欄が埋まると、次はビオトープおよび長浜新川の植物と、長浜新川の魚類・昆虫類・貝類を村上先生の説明を聞きながら比較表に印をつけてゆきました。村上先生は其々の標本の特徴を色々なたとえを交えて説明してゆくので、わかりやすかったです。


 村上先生の分かりやすい説明で話が進められる           

 最後は午前中に屋上ビオトープで採取した生きもののを分類しました。まず、生きものの入ったバケツを井田先生のいる前の机に持ちより、白いバットに仕分けてゆきました。圧倒的に数の多いのはメダカとコオイムシで、次に少しのドジョウとヤゴなどです。これらの結果を先ほどの比較表に追記入し、生きもの調査結果比較表が完成しました。


(左から) 採取した標本を持ち寄る  井田先生と一緒に分類する  昆虫標本

 こうして完成した生きもの比較調査票を活用して、夏休みの自由研究をどの様に進めてゆけばよいかについて、村上先生が資料をディスプレイに映しながら説明しました。
-研究の基本「くらべる」
-研究の流れ、レポートの書き方
-観察条件の設定の仕方
-テーマの例
 などがていねいに説明され、全員が聞き入っていました。


(左から) 皆で作った集計表  自由研究の進め方について

 最後にそれぞれの参加者の感想を、全員で聞きました。朝のあいさつで声の小さかった子どももはっきり感想をしゃべり、みんなの拍手をうけました。


 参加者がひと言ずつ感想を言います


(取材者からひとこと)
 今回の観察会は内容が充実していて、あっという間に時間が過ぎました。タイトなスケジュールの中で全ての項目を完了された主催者側のご準備は大変だったと思います。また屋外フィールドでの安全確保(長浜新川での活動範囲の指定、安全指導員の配置など)に対する配慮も素晴らしかったと思います。
 一方観察会の内容に関しては教育経験豊富な講師の先生方が、本当に参加者をうまく指導されていて、取材者は学ぶこといっぱいで感銘を受けました。夏休み明けには、きっと素晴らしい自由研究がいっぱい提出されると思います。

環境学習推進員 山本 藤樹