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学習プログラム 取材記録 取材日:2006/06/04
プログラム名 177.自然観察コース(自然観察会・親子観察会)
プログラム登録者 A0423.栗東自然観察の森
目的 森の植物や昆虫を五感を使って観察する活動を通して、自然の仕組みやおもしろさ、自然と人との関わりについて気づく。
「栗東自然観察の森」は、栗東市の中ほど、安養寺の丘陵地帯にある、自然と親しみ学ぶための施設です。約14ヘクタールのコナラやクヌギでおおわれた森には、4つの観察コースや、観察小屋、イトトンボの湿地などがあります。
自然観察指導員の案内のもと、森の植物や生きものを観察する「自然みどころ観察会」に参加してきました。
この観察会は季節ごとにテーマを変えて開催されているもので、今回は“梅雨の森”がテーマでした。                            ***********************************************

■□■ 自然観察指導員の紹介
 案内は、「ミッチー」こと阿部倫子指導員と「トシ」こと元田俊弘指導員。
この日の参加者は、幼児連れの若い女性から年輩のご夫婦まで幅広い年齢層の30名余りが集まりました。
開催を待つ間も、シジュウカラやウグイスなどのさえずりが聞こえます。
ネイチャーセンター前の広場で阿部指導員からコースについての説明を受けた後、観察にでかけました。

■□■「アリ」の観察
 ネイチャーセンター前の広場の地面を行列するアリの大群を発見。幼児も行列に見入っていました。次に現れたのは、クロオオアリ。これはシジミチョウの幼虫を育てるそうです。低学年の小学生がアリを手に乗せようとしますが、うまく捕らえることができません。さすが、指導員、うまく捕まえてみせてくれました。捕まえたのは、おなかが赤いムネアカオオアリ。
      アリの行列を観察する小学生

 アリについての説明を聞いているとき、ふいに男の子が、虫を捕まえました。これは「ヒシバッタ」。指導員が観察ケースに入れたヒシバッタを、参加者は順に観察していました。
      捕った昆虫を指導員にみせる小学生

■□■「オトシブム」
 「クヌギ」の木にぶら下がっているオトシブミは、葉を巻物のように巻き込んでこの中で卵を産み、幼虫は葉を食べて成長するそうです。
阿部指導員が紙で作った葉っぱの拡大模型を用いて、オトシブミが葉っぱを巻き込む様子を説明していました。
      オトシブミが葉を巻く様子を紙の模型で説明する指導員
     

 参加者も「オトシブミ」を探そうとクヌギの枝を手元に引いて懸命ですが、この場では見つかりませんでした。
      クヌギの木でオトシブミを探す参加者
     
■□■「シチダンカ」
 つぎは、ドイツの医師 シーボルトが「日本植物誌」で紹介した「シチダンカ」という「アジサイ」。その後永い間確認されず、約130年後の昭和39年に六甲でみつかったという別名「幻の花」。参加者が「あれがアジサイ?」というように、ちょっと珍しいアジサイです。希望者にはこの「シチダンカ」の苗がおみやげにいただけるといううれしいお話に歓声があがっていました。
      幻の花「シチダンカ」

 アジサイの葉を虫が食べない理由や花の色の違いなどの説明に耳を傾けて、「シチダンカ」の花に見入っているのは大人の参加者。小学生の男の子たちはさっき説明を受けたオオアリやムネアカオオアリを探すのに夢中でした。
      アリを探す幼児

■□■「ガマズミ」「ウラジロ」「食虫植物」
 枝の頭に白い花をつけているのは「ガマズミ」。太陽があたりにくい場所に群生しているのは「ウラジロ」。やわらかな緑色の若い葉を放射線状にのばしています。大人は思わず「わぁ、きれい!」と声を発していますが、子どもはどこかで取ってきた一対のウラジロの葉を飛行機のように飛ばして遊んでいました。
 つぎは、栄養状態がよくない地面の上にロゼット状に広がって生えている「食虫植物」。子どもも大人もそっと触れて、ねばねばした手触りを実感していました。中学生の親子は、「なるほど、これでは虫が逃げられないね」と納得していました。植物の観察が大好きというこの中学生は、指導員の説明も熱心にメモをとっていました。
      熱心にメモをとる中学生

■□■「ハンミョウ」
 食虫植物があるすぐ横の植物が生えていない2メートルくらいのがけのあちこちに小さな穴を発見。
これは「森の宝石」といわれる赤や青のきれいな体の「ハンミョウ」が作った穴です。アリジゴクのように土の中で待ちぶせをして、近くを通りすぎるものがあればいきなり頭を出してあごでそれをひっぱり込むそうです。
 この説明を聞くと、子どもたちは早速アリを捕まえてきて、穴に送り込み「ハンミョウ」をおびき出そうと試みます。「ハンミョウ」が出てこないと、こんどは魚釣りならぬ「ハンミョウ」釣りをしようと穴に木の枝を差し込んでいました。だれも「ハンミョウ」の姿を目にすることはできませんでしたが、指導員が用意していた拡大写真で「ハンミョウ」の姿を確認しました。
     ハンミョウの穴に枝を差し込む小学生

     写真でハンミョウを説明する指導員

■□■「狐の穴」と「アリジゴク」
 観察会には、何度も訪れているという小学5年生の4人の男の子たちは、早々と「ハンミョウ」探しに見切りをつけて、別の場所で、「狐の穴を見つけた!」と叫んでいます。
指導員が後を追い、みんなに確かに「狐の居場所」だと説明しました。
      狐の穴をのぞく小学生

 この4人の小学生のうち1人が「アリジゴク」を見つけてきました。指導員にもらった観察ケースに砂と一緒に入れ、参加者に見せていました。さらによく観察できるようにと、大人の1人が拡大鏡を差し出しました。
      小学生がとったアリジゴクをのぞき込む小学生
     
■□■、「ゴマダラチョウ」の羽化
 「エノキ」の表示板にぶら下がっているのは、「ゴマダラチョウ」が羽化したあと。指導員の説明によると、羽化の様子を5時間かけて撮影していたそうですが、飛び立つところをとらえることができなかったということです。このことを聞いていた子どもたちもとても残念そうでした。
      ゴマダラチョウの羽化したあと

■□■湿地での観察
 「イトトンボ湿地」に行く途中、大人の参加者は、和紙の原材料として使われる「ガンピ」の花のよい香りを嗅いでいました。
 湿地での説明は、水の上にたれた木の枝についた泡の塊「モリアオガエル」の卵です。この説明を聞いていると、20メートルほど先の池の周辺に行っていた先頭の男の子が「池に大きなカエルがいる」と歓声をあげています。
みな一斉にそのほうに走っていくと、「コウホネ」の黄色い花が咲く池で姿を見せたのは「ウシガエル」。ほとんどの参加者が初めてみるこの大きなカエルに驚きの声をあげていました。
      ウシガエルを観察する参加者

 指導員から湿地には「まむし」の危険があるので安易に足を踏み入れないことや、ハチに対しては追い払ったりせずそっと去るのを待つようにといった注意がありました。

 ずっと「オトシブミ」を探していた子どもの1人がやっと探しあて、指導員に見せました。そっと開いて中を確認するときは、子どもだけでなく大人も神妙な表情でかたずを飲んで見つめていましたが、卵も幼虫の姿も見られず、みな落胆した様子でした。
      オトシブミが入っていそうな葉を広げる小学生 
     
【取材者からひとこと】
 昆虫が大好き、森が大好きという幼児や小学生、自然のなかでの植物観察に興味があるという熱心に記録をとる中学生、庭木の延長で植物に関心をもつ大人、緑いっぱいの森のなかで行われた観察会はどの参加者にもいろいろな楽しみ方があったようです。
 大人の参加者には、自然の中で目を輝かす子どもたちとの交流も魅力あるものだったようです。また違った季節にも訪れてみたい観察会でした。 (環境学習推進員 山本悦子)