
わが国における環境学習は、従来から自然教育、公害教育を中心に進められてきましたが、環境庁に設置された「環境教育懇談会」において、昭和63年(1988年)に環境教育の理念や基本方針を盛り込んだ報告書が取りまとめられて以来、その必要性が各方面から指摘されるようになってきました。
平成5年(1993年)に制定された環境基本法においては、環境教育・環境学習の振興が主要な施策の一つとして位置付けられ、環境基本法に基づき平成6年(1994年)に閣議決定された環境基本計画では、持続可能な社会の実現に向けた重要な政策手法の一つとして環境教育・環境学習が位置付けられました。また、平成11年(1999年)には、中央環境審議会から「これからの環境教育・環境学習−持続可能な社会をめざして−」が答申され、持続可能な社会の実現に向けた環境学習の具体的な施策が示されました。
学校教育においては、平成元年(1989年)には学習指導要領が改訂され、各教科において環境に関わる内容が重要視されるようになり、平成3年(1991年)には「環境教育指導資料」が発行され、一層の充実が求められています。また、平成10年度(1998年度)に制定された新学習指導要領に「総合的な学習の時間」が新設され、環境等の教科の枠を越えた横断的・総合的な課題について、自然体験や社会体験、観察・実験、見学・調査などの体験的な学習、問題解決的な学習を地域との連携を図りながら行うこととされています。
さらに、平成15年(2003年)7月には、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が制定され、都道府県および市町村においても自然的社会的条件に応じた環境保全の意欲の増進および環境教育の推進に関する方針、計画等を作成するよう努めるとともに、国民等が環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう必要な施策を講じることとしています。
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